地名をキーワードにして地域の歴史を掘り起こすページです

[瀬戸内市の地名と人々の営み]0.はじめに

はじめに

 我々の先祖はどのような営みをしていたのだろうか。それを知る足がかりになるものに地名がある。
 地名は営みに必要な事柄が命名される。したがって地名から営みの一端を知ることができる。
 紙に書かれたものは時に虚偽や偏見があるが、土に書かれた地名はそのようなものは一切なく正に一級の資料である。
 地名は生活共同体である集落の全員の認知により生まれる。文字が書けない人も会話は事欠かないことから地名は会話の中から生まれたと考えられる。共同作業などで場所を指定する場合、その場所の地名を全員が知っていなければ配置することができない。
 地名の特徴の一つに当字が多いことが挙げられる。音が合えば漢字は適当に当てられた。本稿に取り上げている「柿段」は「垣段」の宛字である。
 地名の欠点は殆どが命名された年代が分からないことである。「須恵」のように須恵器生産に関わる地名はほぼ年代を推測できるが、このような例は稀である。
 本書は瀬戸内市の地名の中から先祖の営みを探っている。記述の中にはかつて発表したものを加筆したものもある。
 地名の由来などの確実な文献は皆無に等しい。私の地名研究は県内の同じ地名や同類の地名を集め、立地を検討し推論する方法をとっている。更に先学の研究を学びながら拙論をまとめた。しかし推測が多いことから偏見は免れがたい。諸氏のご批判を仰ぎたい。


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