[瀬戸内市の地名と人々の営み]10.1.西谷遺跡
西谷遺跡
西谷地区で昭和五八年度に圃場整備事業が実施されたが、それに伴い発掘調査が行われた。その結果を昭和六〇年に『西谷遺跡』にまとめ長船町教育委員会が発行した。西谷遺跡は熊城と密接な関係がある。
同書の一部を要約すると、
古墳時代、奈良時代、平安時代の遺構を検出と、多量の土器が出土した。古墳時代の遺構には、建物と柱穴列がある。奈良時代の遺構には、土壙、溝、建物を検出した。平安時代の遺構としては、土壙、建物、柱穴列が存在した。遺構に伴わない特異な遺物には、旧石器時代の石器と奈良時代から平安時代の瓦および塼が出土した。
と報告されている。
出土した古代の瓦について同書は、
(出土した)古代の瓦は西谷遺跡から県道を挟んで南に隣接する須恵廃寺との関連があるものとみて差し支えがなく、内容が明らかでない同廃寺の一端を窺わせる資料となる。
としている。
この報告書から西谷遺跡には古墳時代から人が住み、須恵器や須恵廃寺の瓦などを作っていたことが分かる。