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[瀬戸内市の地名と人々の営み]11.2.吉井川下流域の福地名

吉井川下流域の福地名

吉井川下流域の福地名

 図のように備前市香登西・瀬戸内市長船町・邑久町の吉井川沿いには福地名がひしめいている。備前市香登西字福井・長船町福里・同福岡・同福永・邑久町福元・同福中・同福山である。
 福井の水田から鉄滓が出土し鈩跡と思われる箇所が発見された。注目されるのは邑久町福山の「金岡田」・「田黒」・「鍛冶下」・「細工田」である。「福山」は吉井川の傍らにある小山に命名された山名が集落名になった。集落名になったのは福山が住民にとって大きな存在であったためと考えられる。
 上記の地名の配置は次図の通りである。

福山周辺図

 鍛冶下は上手に鍛冶場があったことにより命名された地名である(地図参照)。丁度金岡田の下手付近であろう。金岡田の田は場所を意味する田と解すれば金岡がある所となる。鍛冶場のすぐ上手にあることから鍛冶場と関係するだろう。
 田黒の黒をくろがねの黒とすれば鉄になる。また黒は畔(くろ)の宛字とすれば盛り上がった所の意になるが、金岡田の隣にあることから鉄との関係が濃いと思われる。長船町長船の地名の金黒から鍛冶滓が出土しているのが参考になる。
 細工田は金岡田の上手にあり、鍛冶が行われていた周辺と考えれば、鍛冶関係の加工場であったとも考えられる。長船町土師に細工原があり土師器の工房跡かと推測されているのが参考になる。


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