[瀬戸内市の地名と人々の営み]5.3.鵜島
鵜島
鵜島は愛媛県今治市に属し、瀬戸内海のほぼ中央大島と伯方島との間の宮窪瀬戸にある小島である。
南北約一、五キロ、東西約〇、八キロ、面積〇、八km²の小島で、周囲は集落のある地域を除いて崖となっている。付近は潮の流れも速い。
中世には能島村上水軍の船隠し場や水のみ場が設けられ、代官所、奉行所、造船所まであったとされ、遺跡も残されている。島の南端には城郭跡もあり、鵜島の西にある能島とともに史跡に指定されている。
島名は足利義満が一つがいの鵜を下賜し、海に放すと鵜が繁殖したことから付けられたものとされているが、瀬戸内海で活躍した古代の海洋族がこの天然の良港を見逃す筈はなく、島名の鵜島はその当時から命名されていたと考えるべきであろう。